治水・利水用 堤高(m) 38.8 堤頂長(m) 181.5 堤体積 (千立方m) 81 総貯水容量(千立方m) 2130
『遍路道のダム』
『前山ダム』のあるさぬき市前山は、四国霊場88箇所87番長尾寺から結願(けちがん)の88番大窪寺に向かう遍路道にある。県道3号線と国道377号線にとってかわられているこの旧道は、実は今もこれらの車道とつかず離れず残っているのである。徳島県板野の霊場1番札所霊山寺から四国全土を巡って延々1150キロを歩いてきたお遍路さんが、いよいよ最後の札所へとたどり着くラストステージの道である。前山はその最後の道にある休憩所の部落であったようだ。それにちなんでこのダム左岸の県道には近年になって『前山おへんろ交流サロン』が開設され、へんろの歴史資料を展示したりへんろ同士の情報交換の場を提供したりと、普通のへんろ休憩所以上の賑わいを見せている。
ダムは大窪寺の背面の女体山に源を発し、旧長尾町から三木町、さぬき市(旧長尾町、旧寒川町、旧志度町)を順々として流れ瀬戸内海に出ていく鉄砲川『鴨部川』の治水を主たる目的とし、さらに旧4町の水道水確保も目して建造された。その効果は絶大で、以来この地区は堤防の決壊と水質が悪く枯渇しやすいため池の用水から開放されたのである。
四国の遍路道には至るところに「弘法大師が杖で地面を叩いて湧きでた清水で村民が救われた言い伝え」がある。四国にとってそれほど水は貴重な資源であり、ダムは現代における弘法大師の杖であるともいえる。
近くのスポット 『四国温泉88箇所87番 塚原から風呂』 http://onsen88.info/index.cgi?Sshop=103
判子のありか 「ひとこと欄」参照
ダム便覧 http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranA/All.cgi?db4=2184
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「県道3号線を長尾から5キロほどで堤体が姿を現す。」
県道3号線を長尾から5キロほどで堤体が姿を現す。
「下流面。付近はダム公園となっている。」
下流面。付近はダム公園となっている。
「ダム湖より上流面を見る。シングルゲートの簡素なダムである。」
ダム湖より上流面を見る。シングルゲートの簡素なダムである。
「ダム湖奥より。結構と水位の変化の激しいダムである。水不足の時には底溜まり水は、それこそ水溜りのようになる。」
ダム湖奥より。結構と水位の変化の激しいダムである。水不足の時には底溜まり水は、それこそ水溜りのようになる。
「桜の頃はダム湖からダムが見えなくなるぞ」
桜の頃はダム湖からダムが見えなくなるぞ
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