治水・利水用 堤高(m) 16 堤頂長(m) 217 堤体積 (千立方m) 64 総貯水容量(千立方m) 606
『田園地帯の親子池』
讃岐のため池を司る「ため池ため子」は、この堰堤88箇所においての「香川のため池」の部類に関する選定に関しては全権を委ねられている。というより誰一人としてそのマニアックな数値知識と寄り切りとに歯向かえないだけなのだが(笑)。という訳で、この『二股上池』に関してもため子嬢の御推奨である。理由を聞くと「好みで」という答えであった。珍しくデータを無視したわかりやすい返答であった。
香川県の東讃地域のダムおよび大規模なため池は、地図上で見ると見事に讃岐山脈の北縁、いわゆる『長尾断層帯』の上にほぼ等間隔で密に並んでいる。この地域はダムに適した地形いわゆる山間部と平野部との境界が一直線に整っているということであるが、それが断層面であるということは興味深いし、いざ大地震の際にはこの東讃地域の水瓶は一斉に破壊され、河川氾濫の後、瞬時に水不足に陥るということである。
木田郡三木町とさぬき市長尾町の境界をまたぐ『二股上池』と三木町の『二股下池』とはまったく同じ地域の農地を潤す親子池である。二つの池はアース式ダムである上池の堰堤を挟んで100mも離れておらず、ぱっと見でも珍しい隣りあわせで湖面の高さが異なる二段式ため池である。特に上池はこの地区でも二番目に大きなため池であり立派で美しいアース式堰堤を持っている。また、いかなため池王国香川県とはいえ、池の真ん中を市町村の境が通ること、ここ以外では見かけない。資料を探してみないとわからないがおそらく何らかの歴史的要因があったものと思われる。
そんなことにはおかまいなく、池の湖面はよく澄んで、のどかな香川の田園の一風景として、訪れる人の目を今日も和ませてくれている。
近くのスポット 『四国温泉88箇所87番 塚原から風呂』 http://onsen88.info/index.cgi?Sshop=103
判子のありか 「ひとこと欄」参照
ダム便覧 http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranA/All.cgi?db4=2142
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「堰堤はよく整備されていて散歩する人も見かける。」
堰堤はよく整備されていて散歩する人も見かける。
「池は東に向いて奥が深い。」
池は東に向いて奥が深い。
「上池の堰堤から見る下池。堤の高さによりそこそこの高低差がある。」
上池の堰堤から見る下池。堤の高さによりそこそこの高低差がある。
「堰堤天端吐水路付近。左が上池、右が下池。」
堰堤天端吐水路付近。左が上池、右が下池。
「下池より上池の堰堤を望む。これだけの高低差で隣同士である。」
下池より上池の堰堤を望む。これだけの高低差で隣同士である。
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