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治水・利水・発電用堤高(m)  106
 堤頂長(m) 250
 堤体積  (千立方m) 510
 総貯水容量(千立方m) 52000
 
 『3兄弟最年少にして最強』
 
 銅山川中流域に立て続けに並ぶ「銅山3ダム」の中で一番奥にあり一番の末っ子、しかして四国最大の早明浦ダムと同じ100m越えの高さを誇るジャイアントである『富郷ダム』。ウルトラマンからウルトラマンタロウまでのウルトラ6兄弟が年下になるほど身長が大きくなり強くなっていくのと同じである。(笑)
 
 このダムは上から順番に非常用の4門の天端クレストゲート、洪水調節用の1門のオリフィスゲート、通常放流用の2門のコンジットゲートの計7門のゲートを持つ大ダムである。取材のときはたまたま台風直前だったので、おりしもオリフィスゲートからの放流中であり、クレストゲートが全開となるのを2時間ほど車中で待っていたのだが、霧も深くますます豪雨になってきたので後ろ髪を引かれる思いで断念した。私はもともとダムマニアではないのだが、さすがに67番目まで取材して巡ってくると、ややもするとそっち側の世界に引き込まれそうになるのである。(笑)
 
 富郷ダムを代表とする「銅山3ダム」は、四国中央市のためのダム群である。大王製紙をはじめとする大規模製紙業の町『伊予三島市』と南海道、土佐北街道、阿波路の交わる交通の要所『川之江市』を中心として周辺の町で合併し、たいそうな名前をつけた(笑)『四国中央市』は、その産業と人口に比して水資源が著しく乏しい地域であった。これを解決するために赤石山系法皇山脈を抜いて銅山川から水を分水したのが柳瀬ダム、新宮ダムの「銅山川分水(今の愛媛分水)」であり、さらなる人口増加に対応するためのラストカードが、この富郷ダムである。いうなれば3兄弟のうち、最強にして最後の切り札である戦艦大和、まさに巨艦ダムである。
 
 近くのスポット
 『四国酒蔵88箇所76番 豊稔』
 http://sake88.info/index.cgi?Sshop=76
 『四国酒蔵88箇所76番 梅錦』
 http://sake88.info/index.cgi?Sshop=77
 
 判子のありか
 「ひとこと欄」参照
 
 ダム便覧
 http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranA/All.cgi?db4=2275
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 「台風で霧につつまれる堤体。オリフィスゲートより放流中。上の天端の4つがクレストゲート、見えにくいが放水流の両脇の2つの穴がコンジットゲートである。(画像はクリックすると拡大します)」台風で霧につつまれる堤体。オリフィスゲートより放流中。上の天端の4つがクレストゲート、見えにくいが放水流の両脇の2つの穴がコンジットゲートである。(画像はクリックすると拡大します) 
 
   
 「ダム湖は『法皇湖(ほうおうこ)』。湖畔公園や展望台が完備している。」ダム湖は『法皇湖(ほうおうこ)』。湖畔公園や展望台が完備している。 
 
   
 「天端より100m直下の底部を望む。」天端より100m直下の底部を望む。 
 
   
 「普通の人間では全力疾走しても渡りきるのに1分はかかる。」普通の人間では全力疾走しても渡りきるのに1分はかかる。 
 
   
 「ダム公園の山をくり貫いた資料館。ダムにはエレベーターがあり申し込むと底部から見学できる。」ダム公園の山をくり貫いた資料館。ダムにはエレベーターがあり申し込むと底部から見学できる。 
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