発電用 堤高(m) 31.5 堤頂長(m) 86 堤体積 (千立方m) 8 総貯水容量(千立方m) 451
『エメラルドの伝説』
今の若い方にはピンとこないかもしれないが、我々おじさんの中学小学生時代は、金曜日の夜8時からというと、男子はみんなテレビの前で『太陽にほえろ』なる刑事ドラマを一所懸命に見ていたものである。そのドラマで最初に殉職した「マカロニ刑事」こと萩原健一が、その昔『ザ・テンプターズ』なるGS(ガソリンスタンドじゃなくてグループサウンズ)時代に飛ばしたヒット曲が『エメラルドの伝説』・・・そう「みずうみにぃー、君は身をなげたぁー」・・・。それがどないしたんじゃと言われればまぁそのとおりなのであるが、わかるやつだけ聞いてくれ(笑)。この『大美谷ダム』はその歌詞のイメージそのままの湖である。
国道193号線を那賀川からその支流の『坂州木頭川(さかしゅうきとうがわ)』に沿って数キロ北上(このあたりは酷道193号線屈指の「普通の道」である 笑)すると木沢の集落に出る。ここからそのまた支流の大美谷川を遡ると上勝町方面に向かう林道となるが、その途中の深山のなかに眠るようにたたずんでいるのが、この『大美谷ダム』である。上記の数値データを見ていただければおわかりのように、ここは四国の3つのアーチ式ダムのひとつにして、青年のようにそびえたつ『17番小見野々ダム』のようでもなく、老人のように樹木に埋もれてしまった『4番高西ダム』のようでもない、美しい木々に囲まれた小ぶりで上品な女性的ダムである。説明板の音声アナウンスによると、ゲートを持つダムではなく地中に隠された取水口からパイプラインで直接に数キロはなれた『坂州木頭川』沿いの坂州発電所に水を落としているということである。それが故に目立った付随設備が付いておらず、ダムというより湖の堤にも見える。もちろんそれでも下流側は美しい曲線のアーチ堤である。
しかしてその最大の特徴は山に囲まれたエメラルド色の湖である。人の気配がないので女神様か妖精が住んでいそうな佇まい。鉄の斧を投げ入れれば金の斧と銀の斧とを携えた美人が出てきそうである。はたしてそのあとどうなるのかはわからないが。(笑)
およそ四国らしからぬこの湖面。しかも知る人ぞ知る・・・というよりもダム好きしか知らないスポット。(笑) まさにエメラルドの伝説である。
近くのスポット 『四国温泉88箇所第17番 四季美谷温泉』 http://onsen88.info/index.cgi?Sshop=19 『四国温泉88箇所第16番 神山温泉』 http://onsen88.info/index.cgi?Sshop=18 『四国温泉88箇所第18番 月ヶ谷温泉』 http://onsen88.info/index.cgi?Sshop=20
判子の場所 「ひとこと欄」参照
ダム便覧 http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranA/All.cgi?db4=2125
【名称について】
大美谷ダムの地元の方々の間では、「おうびだにだむ」と呼ばれています。 一方で、国土交通省が公表している河川整備計画などでは支川名大美谷川は「おおみだにがわ」となっております。 今回の堰堤88箇所は、四国88箇所巡礼という古くからの習慣を参考にした企画ということで、地元地域で古くから親しまれている呼称を用いてみた次第です。 (司空T中)
|
「国道193号線の木沢小学校より黒滝寺方面の林道にはいる (画面をクリックすると拡大します)」
国道193号線の木沢小学校より黒滝寺方面の林道にはいる (画面をクリックすると拡大します)
「土地の者以外はよく道を間違える三叉路 これを右手に曲がる 案内表示板はない」
土地の者以外はよく道を間違える三叉路 これを右手に曲がる 案内表示板はない
「ダムは小ぶりでシンプル よく整備されている」
ダムは小ぶりでシンプル よく整備されている
「エメラルドグリーン以外の何色でもない幻想的な湖面」
エメラルドグリーン以外の何色でもない幻想的な湖面
「195号線をさらに上ると10キロで剣山スーパー林道を横切る さらに5キロで雲早トンネル。神山町、吉野川市を経て高松市へ続く幹線道路である。」
195号線をさらに上ると10キロで剣山スーパー林道を横切る さらに5キロで雲早トンネル。神山町、吉野川市を経て高松市へ続く幹線道路である。
|