「もうすぐ完成 今が見頃」
香川県の真ん中を流れる香東川の支流のひとつである『椛川(かばがわ)』。ちなみに「香川」の名の由来は数説あるが、そのひとつに、ここ椛川上流の樺の木の香りが川に移り香して下流に「香りのする川」が流れていたということに因んだという説がある。つまりこの川が『香川県』の「香川」なのである。
香東本流はこの椛川との分岐点より北東の三木町高仙山(627m)を源としているが、支流の椛川は徳島県境の大滝山(943m)を源としている。参考までに別の支流の内場川(81番内場ダム)の源流は讃岐山脈最高峰の県境竜王山(1059m)である。つまり香東川は本流よりも支流のほうが高く険しい山地から流れ出ているので流域の降水量も本流よりもはるかに多いのである。
今、この椛川に香川県内で最大のダムが建設中である。その堤の高さ88メートルにして堤頂の幅は265メートル。44万の人口を抱える高松市は、その水の大部分を香川用水に頼っている。それでも年々膨れ上がる水事情は将来の異常渇水時の断水を避けがたいものにしている。香川県の命の水の香川用水といえども、徳島県内の吉野川が枯れてしまったのでは意味を成さない。どうしても県内に自前の水源が必要である。その切り札がこの『椛川ダム』である。 1995年に建設計画に着手したこのダム。完成までに4半世紀を要する。ダムの建造は古来より人間が執り行う事業の中でも最大規模の範疇に属するものであり、かくも長い歳月を要するものなのである。こういった巨大建造物の建設現場を見れるチャンスはなかなか皆無。お子様の夏休みの自由研究にも、小学校の写生大会のネタにも、はたまたいい年した大人の興味本位にも(笑)、せっかくなのでぜひ一度、見物に来てみては?
そうそう、たまたまであるが、我々ダム88委員会のメンバーである「香川県工作員 悪代官O美」が、現在、この椛川ダム建設事務所の管理者をしている。委員紹介欄にも述べたが、彼のようなガチなダムマニアに本当にダム建設をさせてしまう香川県、至極あっぱれである。(笑)
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「下流側からダム建設現場を望む。クレーンが見えているところに88メートルの堤体が積み上がる。(画像はクリックすると拡大します)」
下流側からダム建設現場を望む。クレーンが見えているところに88メートルの堤体が積み上がる。(画像はクリックすると拡大します)
「進入路はここ。よく確認して。間違っても工事車両通行路には迷い込まないように。」
進入路はここ。よく確認して。間違っても工事車両通行路には迷い込まないように。
「さぬき温泉入り口の引地橋よりダム工事現場が目前に見えます。」
さぬき温泉入り口の引地橋よりダム工事現場が目前に見えます。
「インフォメーションセンターより2018年9月現在の工事現場を眺める。ダムがだんだんと積み上がっていくのがわかる。」
インフォメーションセンターより2018年9月現在の工事現場を眺める。ダムがだんだんと積み上がっていくのがわかる。
「ダム湖の最上流点となる予定の『追出橋』。『香川県』の名前の由来となったという香る椛の木の林はこの数百メートル上流にあったということである。」
ダム湖の最上流点となる予定の『追出橋』。『香川県』の名前の由来となったという香る椛の木の林はこの数百メートル上流にあったということである。
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