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利水用堤高(m)  26
 堤頂長(m) 103
 堤体積  (千立方m) 7
 総貯水容量(千立方m) 272
 
 『これぞ結願終焉の堰堤』
 
 88箇所ならぬ実に108の四国堰堤巡礼の旅も、これをもって結願である。引田から千足ダムに向かう馬宿川沿いの県道34号線を途中で102号線に左折し山を分け入った行き止まりが最後の堰堤『川股池』である。あと500mで香川県の東南の県境。まさにどん詰まり、ここより先に進む道は皆無であるが、西にそびえる大山を越えたところに徳島県の第1番札所『宮川内ダム』がある。これにて四国四県を一周完了。お疲れ様でした。
 
 『川股池』は知る人ぞ知るため池ダムである。1909年の早くに計画が持ち上がったものの水没農家の反対で一時断念。1939年に完成したものの、漏水が激しく空池のまま放置され、さらに30年を経て改めて竣工したという由来のダムである。地域の一大事業である堰堤は一朝一夕には成らず。これは古から変わることはない。
 
 瀬戸内海に面する引田の町から10キロ足らず、最後の人家からも2キロ少々のこの池は、道がここで尽きるがゆえか人の気配がまったくしない。ただただ山の緑と深緑の池と古びたダムがあるだけの、幽玄の世界である。今まで巡ってきた多くの堰堤も、移ろい行く人の世の中で何十年何百年もかけながら、このように自然と同化していくのであろう。齢を経て自然に溶け込みながらも、人知れず満々と水を湛え今日も静かに水を放っている。まさにこの巡礼で夢に見てきた四国らしい堰堤の姿である。まさしく終焉の地にある結願の札所がこの堰堤で本当によかったと思う。
 
 少し名残惜しい気もしますが、これにて一件落着であります。長い間のお付き合いありがとうございました。
 
 判子のありか
 「ひとこと欄」参照
 
 ダム便覧
 http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranA/All.cgi?db4=2174
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 「山の中の古びたダムは侘しささえ感じる。」山の中の古びたダムは侘しささえ感じる。 
 
   
 「流れ出る水はそのまま緑に吸い込まれるようである。」流れ出る水はそのまま緑に吸い込まれるようである。 
 
   
 「年月を刻んだ堤体は木々と一体化している。」年月を刻んだ堤体は木々と一体化している。 
 
   
 「池の向こうの山を越えると徳島県。越える道はない。」池の向こうの山を越えると徳島県。越える道はない。 
 
   
 「さらに奥に進む林道は立ち入り禁止。地図上でもすぐに行き止まりとなる。」さらに奥に進む林道は立ち入り禁止。地図上でもすぐに行き止まりとなる。 
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