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第32番堰堤札所 『長沢ダム』
住所: 高知県吾川郡いの町大字長沢字長沢山
河川名: 吉野川水系吉野川
形式: 重力式
管理者: 四国電力 1949年竣工
発電用
堤高(m)  71.5
堤頂長(m) 216.6
堤体積  (千立方m) 235 
総貯水容量(千立方m) 31900

『四国三郎最初のダム』

 四国西部の背骨である石鎚山系のひとつ長沢山に造られたこのダムは、四国三郎吉野川の最上流のダムである。吉野川はこの長沢貯水池上流から10キロ弱上った1896メートル『瓶ヶ森女山(かめがもりめやま)』の南斜面『白猪谷』に源流を発し、四国四県より多くの支流を束ねながら総延長194キロを旅して紀伊水道に流れ出るのである。

 『長沢ダム』は下流の「大橋ダム・稲村ダムコンビ」(33番34番札所参照)同様の「揚水発電ダム」である。しかし驚くことに、吉野川最上流の山奥のこのダムが、実は「下池」にあたる。より標高の高さを求められる「上池」はダム南方の大森山からより奥地に分け入るまさに前人未到の『大森川ダム』である。こんな山奥のダムとそのさらに山奥のダム同士で発電蓄電システムが何十年に渡って人知れず動いているという事実自体、一般の人の想像だにしないことであろう。これぞ「四国の自然の地形」と「人の知恵と努力」とのコンビネーションの賜物であると言えよう。 

 また、『長沢ダム』は太平洋戦争が勃発した1941年に工事を始め、途中戦争で中断したものの終戦後再開されて完成した戦時中のダムでもある。そんな時代にあっても日本の将来のためにダムを完成させようとした当時の方々のご苦労の上にこそ今の我々の豊かな生活があるのだということを、改めて思い知ることができる。100年前後にも渡る稼動を目されて建造されている「ダムという構造物」は書物に勝る身近な歴史の見届け人でもあると言えまいか。

判子のありか
「ひとこと欄」参照

ダム便覧
http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranA/All.cgi?db4=2306

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「県道40号線を上っていくと遥かに見えて来る。(画像はクリックすると拡大します) 県道の本線を行けば堤項へ左に下ればダムの下流基部へ。」
県道40号線を上っていくと遥かに見えて来る。(画像はクリックすると拡大します) 県道の本線を行けば堤項へ左に下ればダムの下流基部へ。

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「戦中戦後の物資の乏しい中で建造されたダムだけあって、そこはかとなくそれらしいオーラを帯びる。」
戦中戦後の物資の乏しい中で建造されたダムだけあって、そこはかとなくそれらしいオーラを帯びる。

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「堤項より下流の吉野川を望む。」
堤項より下流の吉野川を望む。

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「ダムの右岸方向。この方向の大森山を越えた地点に上池である『大森川ダム』がある。」
ダムの右岸方向。この方向の大森山を越えた地点に上池である『大森川ダム』がある。

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「県道40号線をさらに上ると吉野川源流への登山口『白猪谷』へ(画像をクリックすると拡大します)。さらに県道を奥へとすすむと、絶景の高原道路『瓶ヶ谷林道』と予佐越(よさこい)峠で合流し、さらに石鎚山登山口である『土小屋』から面河方面に抜けることができる。」
県道40号線をさらに上ると吉野川源流への登山口『白猪谷』へ(画像をクリックすると拡大します)。さらに県道を奥へとすすむと、絶景の高原道路『瓶ヶ谷林道』と予佐越(よさこい)峠で合流し、さらに石鎚山登山口である『土小屋』から面河方面に抜けることができる。
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「逆光の県道を上っていくと飛沫によるモヤをバックに堰堤のシルエットが見える」
「逆光の県道を上っていくと飛沫によるモヤをバックに堰堤のシルエットが見える」 クリックすると拡大します
「もくもくと水を流している堤体」
「もくもくと水を流している堤体」 クリックすると拡大します
「堤の古さはどの資料にも記されていない」
「堤の古さはどの資料にも記されていない」 クリックすると拡大します
「上流からもモヤが見える。「地道に稼動している」という感のする堰堤」
「上流からもモヤが見える。「地道に稼動している」という感のする堰堤」
長沢ダムの前さばき 『吉野川取水堰』
2011.12.10

 大橋ダム湖から南に上る吉野川本流は稲村山西側で直角に上流方向を変え、さらに国道194号線に別れを告げて県道40号線沿いに長沢ダムへと上っていく。このあたりになれば谷幅もさらに狭まり支流と見分けがつかないほどの川になる。

 県道40号線を長沢ダムに向かっているとすぐに目に飛び込んでくるのが、『吉野川取水堰』である。地図にも記されて無く、特に目につく形状でも特殊なスペックでもない、至って普通の取水堰であるが、ほどよく年月を経た渋みが思わず車を止めてしまうオーラを醸し出している。

 四国にはこういう目立たない取水堰が数多く存在している。ダム登録された比較的大規模の構造物は確かに派手で人目を引き印象にも残るが、幾多のこういった小さな堤のサポートのおかげで川全体としてダムも始めてその機能を全うできるのであろう。後ろ1キロにに控える『長沢ダム』が3番打者とすると、この『吉野川取水堰』は繋ぎ役に徹した2番の送りバントの役割だろう。「ドラマチック」な感銘ではなく「日常」を感じさせる。「名も無く貧しく美しく」を体現している堰堤である。


住所: 高知県吾川郡いの町大字長沢
河川名: 吉野川水系吉野川
形式: コンクリート構造
管理者: 四国電力 竣工年不明
発電用
堤高(m)  9.5
堤頂長(m) 48.76
堤体積  (千立方m) 2.3 
総貯水容量(千立方m) −

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判子は、「木のおうち」の中で皆を待っていた
2016年9月24日巡礼。判子は四電さん手作りの「木のおうち」の中に収納されていました。又手作り満載のダムスペックもありました。
▲先頭へ イトマキナガニシさん投稿/2016年9月25日(日)10時42分
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↓下記より堰堤情報をご覧ください。
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第1番堰堤札所 『宮川内(みやがわうち)ダム』
第2番堰堤札所 『相坂(あいさか)ダム(御所池)』
番外堰堤札所第1番 『旧吉野川河口堰管理所』
番外堰堤札所第2番 『吉野川第十堰』
第3番堰堤札所  『高西(こうざい)ダム』その1
第3番堰堤札所  『高西(こうざい)ダム』その2
第4番堰堤札所 『夏子ダム』
番外堰堤札所第3番 『デ・レイケ堰堤』
第5番堰堤札所 『明谷(みょうだに)ダム』
第6番堰堤札所 『池田ダム』
第7番堰堤札所 『三縄(みなわ)ダム』
第8番堰堤札所 『松尾川ダム』
第9番堰堤札所 『若宮谷ダム』
第10番堰堤札所 『名頃(なごろ)ダム』
第11番堰堤札所 『正木ダム』
第12番堰堤札所 『川口ダム』
第13番堰堤札所 『長安口(ながやすぐち)ダム』
第14番堰堤札所 『小見野々(こみのの)ダム』
第15番堰堤札所 『大美谷(おおみだに)ダム』
第16番堰堤札所 『福井ダム』
第17番堰堤札所 『平鍋ダム』
第18番堰堤札所 『久木(くき)ダム』
第19番堰堤札所 『魚梁瀬(やなせ)ダム』
第20番堰堤札所 『伊尾木川(いおきがわ)ダム』
第21番堰堤札所 『奥出(おくだし)ダム』 
新札所3番 『和食ダム』
第22番堰堤札所 『鎌井谷ダム』
第23番堰堤札所 『永瀬ダム』
第24番堰堤札所 『吉野ダム』
第25番堰堤札所 『杉田(すいた)ダム』 
第26番堰堤札所 『休場(やすば)ダム』
番外堰堤札所第4番 『繁藤(しげとう)堰堤』
第27番堰堤札所 『穴内川(あなないがわ)ダム』
番外堰堤札所第5番 『赤根川第4堰堤』
第28番堰堤札所 『汗見(あせみ)ダム』
第29番堰堤札所 『早明浦(さめうら)ダム』
第30番堰堤札所 『稲村ダム』
第31番堰堤札所 『大橋ダム』
番外堰堤札所第6番 『高薮取水堰(たかやぶしゅすいせき)』
第32番堰堤札所 『長沢ダム』
第33番堰堤札所 『大森川ダム』 その1
第33番堰堤札所 『大森川ダム』 その2
第34番堰堤札所 『鏡(かがみ)ダム』 
第35番堰堤札所 『桐見(きりみ)ダム』
第36番堰堤札所 『筏津(いかだづ)ダム』
第37番堰堤札所 『大渡(おおど)ダム』
第38番堰堤札所 『初瀬ダム』
第39番堰堤札所 『津賀ダム』
番外堰堤札所第7番 『佐賀取水堰』
第40番堰堤札所 『以布利川(いぶりがわ)ダム』
新札所第4番 『春遠(はるどお)ダム』【仮】
第41番堰堤札所 『中筋川ダム』
新札所第1番 『横瀬川(よこぜがわ)ダム』
第42番堰堤札所 『坂本ダム』
第43番堰堤札所 『大久保山ダム』
第44番堰堤札所 『山財(さんざい)ダム』
第45番堰堤札所 『須賀川ダム』
番外堰堤札所第8番 『柿原水源地第二貯水池堰堤』
第46番堰堤札所 『野村ダム』
第47番堰堤札所 『鹿野川(かのがわ)ダム』
第48番堰堤札所 『布喜川(ふきがわ)調整池』
第49番堰堤札所 『八代(やしろ)ダム』
第50番堰堤札所 『伊方(いかた)調整池』
第51番堰堤札所 『大谷池』
第52番堰堤札所 『銚子ダム』
第53番堰堤札所 『面河(おもご)第三ダム』
第54番堰堤札所 『柳谷(やなだに)ダム』
番外堰堤札所第9番 『白猪谷(しらいたに)堰堤』
第55番堰堤札所 『面河ダム』
番外堰堤札所第10番 『除ケの堰堤(よけのえんてい)』
第56番堰堤札所 『佐古(さこ)ダム』
第57番堰堤札所 『横谷調整池』
第58番堰堤札所 『石手川(いしてがわ)ダム』
第59番堰堤札所 『立岩ダム』
第60番堰堤札所 『歌仙(かせん)ダム』
第61番堰堤札所 『玉川ダム』
別院堰堤札所第1番 『上浦ダム』
別院堰堤札所第2番 『台(うてな)ダム』
第62番堰堤札所 『朝倉ダム』
第63番堰堤札所 『志河川(しこがわ)ダム』
第64番堰堤札所 『黒瀬ダム』
第66番堰堤札所 『別子(べっし)ダム』
第65番堰堤札所 『鹿森ダム』
第67番堰堤札所 『富郷(とみさと)ダム』
第68番堰堤札所 『柳瀬(やなせ)ダム』
第69番堰堤札所 『新宮(しんぐう)ダム』
第70番堰堤札所 『五郷(ごごう)ダム』
第71番堰堤札所 『豊稔池(ほうねんいけ)ダム』
第72番堰堤札所 『粟井ダム』
第73番堰堤札所 『宝山湖(香川用水調整池)』 
第74番堰堤札所 『多治川(たじがわ)ダム』
第76番堰堤札所 『満濃池』
第75番堰堤札所 『野口ダム』
第77番堰堤札所 『府中ダム』 + 奥の院 『北条池』
第78番堰堤札所 『長柄(ながら)ダム』
第79番堰堤札所 『田万(たまん)ダム』
第80番堰堤札所 『高橋ダム+遊水林池(ゆうすいりんいけ)』
第81番堰堤札所 『内場(ないば)ダム』
新札所第2番 『椛川ダム』
第82番堰堤札所 『神内上池(じんないかみいけ)』
別院堰堤札所第3番 『殿川(とのがわ)ダム』
別院堰堤札所第4番 『蛙子池(かえるごいけ)』
別院堰堤札所第5番 『旧内海(うちのみ)ダム』
別院堰堤札所第6番 『内海ダム』
別院堰堤札所第7番 『粟地(あわじ)ダム』
別院堰堤札所第8番 『吉田ダム』
番外堰堤札所第11番 『二股上池(ふたまたうわいけ)』
第83番堰堤札所 『前山ダム』
第84番堰堤札所 『門入(もんにゅう)ダム』
第85番堰堤札所 『大川ダム』
第86番堰堤札所 『五名(ごみょう)ダム』
第87番堰堤札所 『大内(おおうち)ダム』
第88番堰堤札所 『千足ダム』
番外堰堤札所第12番 『川股池』
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判子のありか 2012.04.14
長沢ダムの前さばき 『吉野川取水堰』 2011.12.10

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